ジャーマンウイングスに思う

年間150回以上飛行機に乗る桑山は、今回のジャーマンウイングスの事件がことのほか他人ごとに思えず、あの日以来ずっと考えています。
 飛行機は落ちたらほぼ助からないと思うので、いつも緊張しています。
 機内放送で、
「どのような天候の不順も航空機の安全性には全く問題がありませんので、どうぞご安心下さい。」
 と良く言われますが、人間が関わることに「完璧」なんてあるはずがない。ましてやその多くの機会に頼っているのであればなおのこと「トラブル」や「原因不明のミス」だってありうると思っています。
 これまで「死ぬのか」と思ったほどの揺れは3回ほどありますが、中でも忘れられないのは24歳の時のアルゼンチン、メンドーサ空港上空でのことでした。激しい雷雨と、時折混じる大粒のヒョウ、そして落雷と風で、
「これは落ちる」
 と思った時のことは今でも忘れません。
 年間150回以上の搭乗はきっと、飛行機事故で死ぬ確率は誰よりも多いと思うに十分です。それでも、これまで落ちることなくこうして生きてきました。
 ところが、今回はまだ推察ではありますが、副操縦士が「故意に」、150人の人の命を奪って自分も死ぬという考えられない暴挙にでたのです。それがいつもよく使っているルフトハンザの子会社であると思えばなおのこと、他人ごとではありませんでした。
 IS(いわゆる”イスラム国”)の人間も余りに愚かに人を殺していきますが、このドイツの青年のとった行動はまさにISのやっていることに相当するような「殺人」です。自爆テロにも似ています。
 一体ドイツという国はどうなっているんだろうと、ふと思います。これも推察ですが、親会社の巨人「ルフトハンザ」の操縦士にはなれないと言うことに失意と怒りを抱いていたという報道が本当であるなら、そんな身勝手な理由で150人の命を奪うと言うことが平然とできてしまうドイツという国の教育はどうなっているのかと思います。
 もちろん我が国日本でも、実に身勝手な理由で中学生を殺してしまう愚かな未成年もいますし、「人を殺してみたかった」と語る佐世保や仙台の高校生たちのことを考えれば、人の国のことは言えない立場です。
 しかし、この前代未聞の飛行機操縦士が自らの意志で飛行機を落とし、人の命を奪うという行為をうやむやにしてはならないと思います。
 そんなことができてしまうこの「ニンゲン」の進むべき道をまた、しっかりと考えていかなければならないと。
 今回巻き込まれた2人の日本人の同胞や、16人の高校生たちの最期の意識がどれほど恐怖であったか、想像するだけでも我が身が凍ります。
 しっかりとした原因の検証を望むばかりです。
桑山紀彦

ジャーマンウイングスに思う」への1件のフィードバック

  1. フライトレコーダーで副操縦士の仕業と判明したといいながら、コックピット内で何があったのかフライトレコーダーの発見が急がれる~と???と思うようなテレビ報道の混乱ぶりも気になります。
    人がたくさん亡くなっているのに専門家と称する評論家方が出てきて過去の事故を説明するのも無理やり探し出してきたように見えて嫌な感じで、その時犠牲になった遺族のことも少しは思いやってよ!と言いたくなります。

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