高校生の恋

ルワンダの日々もすでに4日目。昨日は盛大に音楽会が開かれました。
 キガリ市内の2つの高校からも生徒が来て、まるで高校の交流文化祭の様相です。その2つの高校はエイズ予防のための演劇を披露。熱の入った素晴らしいできでした。
音楽会
 そして我がFAWE女子高の番です。2日間にわたって練習した成果を今こそ!
 今回のために創った曲、午前の練習の時、みんなと曲名を考えました。
 「Ejo Heza(エジョ・ヘザ)」
 =「より良き未来へ(Better Future)」
 素敵な題名になりました。
  FAWE校の校長先生の挨拶は見事でした。
 「この場にいる高校生よ、見なさい。このルワンダの地に日本から多くの人材がきている。その事実を受け止めなさい。彼らはより良き世界をめざして海を越え、このルワンダの地にいる。私たちは苦難の歴史を抱え、まだまだ立ち止まったままだ。しかし、この場にいるこの日本人たちの姿に、崇高なものを感じなさい。そしてあなたちの未来では、努力次第で、海を越えより素晴らしい将来を手に入れることができるのです。
 なぜ日本人たちは、ここにいるのか、そして彼らが今日、ここで何をしようとしているのか、その心を開いて心に刻みつけなさい。それがあなた達のより良き未来につながるのです。」
 自分たちがまだ途上にいることを自覚させ、一方で可能性を具体的に感じさせる。その言葉にみなで感動しました。
 そんな校長先生の目の前で、歌い踊るには、少し緊張が高すぎたのか、生徒たちは昨日の練習のような開けた感じが薄れて、正統派のコーラスになっていましたが、見事に歌い上げました。
 協力隊のみんなもオリジナルの歌詞で、そしてJICA職員の島田さん(ルワンダ篇の主人公)も友成さんのオリジナル歌詞で歌い、興奮の中で音楽会が終わっていきました。
音楽会2
 すべてが終わって庭でくつろいでいると、他の高校からきた男子生徒と仲良さそうに寄り添っているFAWEの女生徒がいました。ここにも「恋」があります。何だか嬉しくなりました。
 普通のひとが普通に暮らせることが、実はとても幸せなのだ、と実感する瞬間でした。
高校生カップル
チームのリーダー、メアリーと彼氏
 今日は3時間かけて、一番ひどかった虐殺の記念館に行きました。
 掘り出された遺体が、石灰の粉に包まれて、そのままの姿で展示されている衝撃のものでした。カンボジアのトッーア・スライン殺戮記念館の何倍もインパクトのある「生の展示」に言葉もありませんでした。
 そこにはあの、旧ユーゴスラビアの激戦の街、ブコバルで経験した遺体発掘の時の「甘酸っぱい匂い」が漂っていました。
 それは人の死体の匂いです。
 その忌まわしい事件からたった14年しか過ぎていないこの国には、目に見えない緊張と対立が今も厳然とあります。
 それでも昨日の男子生徒と女子生徒の恥じらいながらも久しぶりに会って寄り添う姿が蘇り、「普通に暮らせること」を何倍にも祈って、記念館をあとにしました。
 「地球のステージ:ルワンダ篇」は、そんな虐殺の事実と、静かに立ち上がる高校生のコーラスチームのお話で綴られていくでしょう。
 公式の発表は10月4日(土)のJICA「グローバル・フェスタ」、日比谷公園での「地球のステージ」になると思います。
 6月4日(水)には帰国します。

高校生の恋」への1件のフィードバック

  1. アフリカ取材、お疲れ様でした。
    そして、日本へお帰りなさいですね。
    私はカンボジアの殺戮記念館もルワンダの記念館も行った事はありませんが、かつて修学旅行で長崎の平和記念館に行った時に、観ながらただ涙が出てきたことを思い出します。
    それは写真が主だったと思いますが、もしカンボジアとルワンダの記念館に行ったら、相当大きな衝撃を受けるだろうな・・・と予想します。
    しかし、それでもこの惨劇を二度と繰り返さないようにと、それを世間に伝えるために懸命に展示を作り上げた人がいるのですから、見る側もしっかりとその気持ちを受け止めなければならない、と思います。
    10月4日(土)日比谷にぜひステージを観に行きたいと思います。
    今から予定しておきます!!

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