13歳で出逢い、「空爆を受けている僕の街に色なんてない。」といって、決して色を塗らなかったモハマッド。
その後成長して現在、イスラム大学の1年生となったモハマッドですが、自腹を切ってキャノンのカメラを買い、先輩にくっついて取材の勉強をしています。
彼が目指すものはジャーナリスト。13歳で持った夢を貫き通している彼の強い意志は、恐るべき吸収力で物事を学んでいくことに役立っています。
昨年12月で19歳になったモハマッドですが、現在通っているイスラム大学よりも、ある・アクサ大学のジャーナリズム科の方に魅力を感じているようすで、そちらへの転学を検討中です。しかし、成績的には足りているので、希望を出せば移られるとのこと。
でも内実的にはイスラム大学の学費が高いことや毎日のようにガザ市まで通う交通費がかさんでいることも転学の動悸のようです。今はちょっと様子を見ていようと思います。
そんなモハマッドは既に現場に出ていろんな取材を始めていました。
彼の家はまさに国境目の前ですから日々空爆や銃撃戦が身近にあります。そんな中で最近のモハマッドが撮った写真を見せてもらいました。
言葉がありませんでした。
たった19歳の青年が、カメラを手にしてわずか数ヶ月の彼がこんなにも表情と奥行きのある写真を撮っているとは。
このメッセージ性は何?
この訴えかける色合いは何?
天才なのかも知れない、と思うに十分でした。
空爆でたなびく煙の流れ。手前の木々の艶と揺らめき。静止画なのに、まさに空爆をうけてそこが動いているようでした。
このパレスチナ国旗の位置。破壊された家屋とのコントラスト。まるでHDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)手法を撮っているようにも見えますが、単に「素」の写真です。「素」なのに、まるでHDR加工をかけたような構図と色合いは何だろう…。
破壊の哀しさと、それでも負けないパレスチナの人々の気持ちを旗に込めて、1枚でそれを押さえるその構図のすばらしさ。
これがモハマッドです。
彼は強く、この夏に日本に行くことを望んでいます。
私たちの団体がイスラエル政府に認証さえされれば(3月末までには可能の予測)、おそらくモハマッドは日本に来られるでしょう。
是非彼にはカメラを持って、日本を旅してほしい。そしてこの「静止画」で押さえる構図の力を存分に発揮して、モハマッドが感じる日本を描いてほしいと思いました。
パレスチナの若者は、困難があるが故に育っていると思いました。
桑山紀彦
最近の地球のステージのブログには、ステージの主人公のその後が描かれていて嬉しいです。
このモハマッドが撮った写真を見て、ちょっと鳥肌が立ちました。
この色合いは、私の周りでは見たことがない気がします。
以前、インドから泊まりに来たお客さんが、うちの窓から外を眺め「日本はキラキラしてる」と言っていたのを何となく思い出しました。
色は、心を映し出し、心はまた、色の影響を大きく受けますね。
色を塗れないとき、あります…
モハマッドの目に、日本がどのように映るのか知りたいです。待っています!
一言でくくっていうことはできないけれど、さまざまな季節の自然の美しさに、ありがとう、と思います。たくさん観てほしいです!
あの忌わしい大震災と同じ色でドッキとします。
彼には生まれ持った鋭い感性と明確な目的意識を感じます。
環境に立ち向かうしっかりした若者ですね。
空爆や銃撃を受けた時に街の人々は「ここなら安全・・・」という場所をどうやって判断して避難しているのでしょうか?
写真を見るたびに不思議に思っています。