ガザに暮らす子どもたちとの心理社会的ワークショップは充実したプログラムを展開しています。
その一つにクラス、学年、学校も合同の「統合クラス」として心理ワークとは別に青少年活動・屋外活動を実施する日が2週に1回あります。
今月は「宝物さがし~トレジャーハンティング~」と題して、学校敷地内を使った屋外活動を実施しました。
内容は、チームメンバーと一緒に学校敷地内に居る暗号文を持つ大人を探し出して暗号文を受け取り、解読していきながら最後は宝箱を見つけるというもの。
駆け回る子どもたち
体験の中で「個人の力の発揮」と「チームワークの発揮」がテーマなのですが、そんな大人の思惑などおかまい無し!約50人全8チームが我先に宝物を見つけようと合図とともに駆け出して、廊下も階段も全力で駆け回りながらパソコン教室に入り込み訓練中の年上の生徒さんをつかまえたり、校庭で用務員のおじさんを捕まえたり、他の先生たちだってそっとさせてもらえません。フェンスを越えて植え込みの奥へ。ゴミ箱も砂場も植込みも探しまくる!校舎内や校庭を汗かき大声を上げながら夢中で駆け回る姿には本当に圧倒されます。夢中で参加していますから当然ながら喧嘩や怪我など多少のトラブルもありました…そんな姿を見ながら「こんなにのびのびした活動、日本の小学校では絶対に出来ないだろうなぁ」と思う。
暗号文を解読中
見つけた宝箱は、部屋に戻ってみんなで確認しますがその前にファシリテーターから子どもたちへ問いかけます。
アクティビティの感想は?ゲームで良かったところは?チームの中のべストなチームワークは?目立たないけど良い活躍をしたメンバーは?みんなのチームは最高?じゃあ、お互いに拍手~そして握手~!またやりたい?そんなにいい時間だった?じゃあ全員に拍手~!!僕たちもみんなが楽しんで協力しながら取り組んでいたことがとっても嬉しかったよ~!などと振り返り、陽面の獲得と落とし込みを行ないます。実はこれが大切なんですよね。
ゲームの目的は宝探し。だけど宝箱の宝物とともにたくさんのことを見つけてほしいものです。もちろんトラブルだって、また一つの宝物。ある保育師さんが言っていました。
「子どもはたくさんの人たちとの関わりの中で、自分を見つめたり他人を認めたりして、自分を確立していくんです」
本当にそう思います。集団活動は子どもの成長に欠かせないものですからね。
マトリョーシカ宝箱
さいごに、優勝チームメンバーで宝箱を開けてもらいました。中からは宝箱よりも一回り小さな箱があり、フタを開けると更に一回り小さな箱が。まるでマトリョーシカのような仕掛けをしたスタッフ。最初は大きな宝箱だったのに、開ける度にだんだんと小さくなって、最後のちっちゃい宝箱の中からはスタッフ手作りのウサギ紙人形が…笑いが起きて盛り上がっていた教室が一瞬、時が止まったような空気になり、子どもたちのポカンとした表情は忘れられませんでした。
「宝物とは、目に見えないキラキラした宝石を身につけた“心”そのもの」
ガザ地区・ラファ事務所 宗貞 研
宗貞さん!!
張り切りすぎ過ぎない様に頑張ってください。