宮崎・高鍋公演を終えて

 宮崎県で2回目の公演があった。今日は高鍋(たかなべ)町である。日向灘に面した人口3万人弱ののどかな町である。突然この町に呼ばれたにはわけがある。山形県米沢市にあるNPO法人「環境フォーラム21」の井上さんという人が、高鍋に紹介してくれたのだ。米沢と高鍋は姉妹都市。そして井上さんたちは、高鍋に米沢でとれたそばを持ち込み、蕎麦焼酎をつくってもらい、それを米沢で売っているのだ。お互いのいいところを活かしあってひとつの産品を作る、共同体がこのステージの源になった。
 
 井上さんたちは自分たちのNPO法人が主催して、こつこつと米沢市内の学校へ「地球のステージ」をプレゼントしてきた。その甲斐あって、最近よく「米沢の小学校で、中学校でステージを観て、今の道に進んでいます」という大学生や青年海外協力隊の人に出会う。まさに井上さんたちが掲げてきた「地域に誇りを持って住み、世界に啓けた子どもを育成する」という団体の主旨が貫かれているのだ。そしてついに井上さんたちは海を越え九州の公演まで持ち込んできたのだった。
 
 受け入れてくれた宮崎、高鍋町の人たちの優しいこと、暖かいこと。高鍋町としては初演なのにも関わらず600人を超える町民が集まり、熱気の中にステージが進行していった。ひとつひとつに笑いが起こり、どよめきがあり、拍手が曲の終わる前から始まる。暖かい人たち。あっという間に「1番」が終わり、早速来年の「2番」の話しになっていた。
 
 東国原知事が就任して21日で1年である。
 
 宮崎県は一躍「地域おこし」の旗手に躍り出た。宮崎県産というだけで人気が急上昇。その波及効果は大きなものだ。しかし、一方で知事に対する「県政の運営やマニフェストの実行には、素人の状態のまま止まっている」という批判も少なくないことを、宮崎県に行って知った。地方が活性化するにはどうするといいのだろう。自分たちも地方都市に住みながらいつも考えている。でも結局は道路やモノに対する投資では、すぐに熱気が終息するように思う。大切なのは、その地域に誇りを持って、根ざして生きていこうとしている「意志ある者たち」をどう支援していくかではないか、と思うのだ。その意味では、米沢市の井上さんや高鍋町の皆さんは、それを具現化しようとしている。
 
 「地球のステージ3」で取り上げている会津若松の小野さんやつくば市の飯野さんのような人々が、どのくらい立ち上がるかで、地域は変わると思った。

NPO法人 環境フォーラム21代表の井上さんの挨拶
くわやまのりひこ

宮崎・高鍋公演を終えて」への2件のフィードバック

  1. どこの地域にも情熱を持った方はいるはずです。
    「きっかけ」さえあれば・・・
    地球のステージがその「きっかけ」になれば素晴らしい
    ことですし、なってほしいと思います。
    応援しかできませんが、ずっとずっと応援し続けます。

  2. 姉妹都市での交流、ステージの開催。素晴らしいですね。
    熱い人がいて、そこから元気をもらってくる・・・。
    私が「地球のステージ」を好きなのも、そんなところからきているんでしょうね。
    23日の常陸太田市の機初小(はたそめ)でも、素敵な出会いがありました。
    400人ほどの学校でしたが、時々みぞれまじりで、体育館はとても寒く、桑山さんが「トイレはがまんしなくていいからね。でも、みんなで一緒には行かないで、一人でいってみよう。」
    子どもたち、どうするかな?と見ていたら、きちんと一人で行ったのです。1年生から6年生まで、床に直座りだったため、寒かったと思います。低学年には、ちょっと難しい内容かもしれません。でも、きちんと最後まで聞けました。
    それから、なかちゃんパパとママも来て下さっていて、最後まで手伝ってくれました。「これから仕事」と、パパが帰る姿を見て、「きっと、土日返上で仕事をして、今日の午前中の都合をつけてくれたんだろうなぁ」と、頭が下がる思いでした。
    高萩市のPTA会長のS根さんも来て下さいました。
    ステージ会場で、何度かお会いしていました。今日は、最後の撤収まで手伝ってくださいました。S根さんも、仕事の都合をつけて、来て下さったにちがいありません。スーツ姿のところをみると、これから仕事に戻るのでしょうね。
    それぞれの方が、それぞれの形でステージに係わってくれている・・・。ライブの良さと、人の繋がりを感じたステージでした。

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