いよいよ5つのチームで「未来の街づくりのジオラマ」が始まっています。
月曜日は我が「地球のステージ」がある下増田の子どもたちとのセッションでした。
下増田は田んぼや畑が多く、家が散在しています。北釜は一つの集落でしたが、そこは壊滅。目の前にある仙台空港も「どか~ん」と存在しすぎて「街」のイメージにはなりません。
そんな被災地「下増田」を、子どもたちが果たして「未来の街づくり」のイメージを膨らませる舞台にしてくれるのか、正直心配でした。しかし、それは全く杞憂でした。
「在りし日の街」「津波の日の光景」の作品よりもはるかに彼らは積極的に取り組み、いろんな意見が飛び交い、イメージがどんどん膨らんでいきます。やはり子どもたちは未来を見ることに長けているのかもしれません。
そんな中、みんなが自分の家を真っ先に
「置きたい!」
と言って配置はじめたことが感動でした。参加している子どもたちすべてが家を失っています。もちろん大規模半壊を克服して丁寧に修繕してそこに住んでいる子どもたちもいますが、いずれにしても2Mの津波に襲われている子どもたち。そんな子どもたちの中でとくに、
「もう下増田にはいたくない。」
と言っていたののかちゃんが、
「やっぱり私は下増田に家がほしいな。でも前の家よりは少し“内陸”につくろう!」
といって、つぶれてしまった大友さんの田んぼのところに「ののかの家」の付箋を貼りました。
一方、家を流されて借り上げアパートにいるともき君は、
「おれ、海の中に家つくるんだ。」
「へ~、どうして?」
「だって、津波来ても海の中に家があったら流されないじゃん。」
すごい発想の小学校2年生です。
しかしここでののかちゃんの鋭い突っ込み。
「でも、その家にどうやって入るの?」
「・・・」
「家に入れないんじゃまずいじゃん!」
「うんとね、家の上にフタみたいなものがあって、そこから出入りするんだよ。」
「じゃあ、そのフタまではどうやって行くの?」
あくまでののかちゃんは現実派の小学校2年生なんです。
「そりゃあ・・・。」
ともき君が詰まります。
「そりゃあ、そこまでは滑り台みたいなものが伸びてて、それに乗っていくんだよ。」
「でもさ~。」
「ストップ!ののかちゃん。あとは、ともき君の大きな発想に任せよう!」
「は~い」
そんな会話がどんどん進んでいきます。
こうして、この地で被災した小学生たちは未来、自分たちが住みたい街づくりのジオラマ制作にいよいよ入っていきます。来週からは実際に紙粘土で立体造形。ともきくんの「水中住宅」も楽しみです。
でもみんなは決して防災は忘れません。
「まず第一堤防は最低5メートル。」
「その次に第二堤防が3メートル。」
「それでも不安だから松林を100メートル幅でずらっとつくる!」
強靱な対津波戦略を考えてくれています。もちろん、
「5メートルでは足りないかも・・・。」
と大人の僕たちは喉まで出かかりますが、小学校低学年の子どもたちにとって、「5メートル」というのは、とても高いもののようです。
請うご期待!
桑山紀彦
「子どもたちは未来を見ることに長けているのかもしれません!」・・・・素敵な言葉ですね。大人も子供達と一緒に素敵な未来を思い描いて行きたいですね。自分自身も!
既成観念にとらわれない発想は未来的でいいですね。
でも、子供同士が会話を交わしていることが大事ですばらしいと思います。
きっと、子供の未来に繋がることでしょう。
おはようございます。今日は通勤電車内顔触れが随分違う様な…
私の立ち位置まわりの…
ブログで子供達の会話に思わず笑みが零れてしまいました。女の子より男の子の方が現実的なんよね。幼稚園でも同じ様な光景があります。 閖上の街、未来も私の田舎の様に沢山のお米が収穫されると良いな。
ののかちゃん、やっぱり下増田に家を作りたいという気持ちになってよかったね。
少しずつ、気持ちが落ち着いて来ているのかな、とホッとしています。
子ども達の柔軟な発想に未来を託したい気持ちです。
福島第一原発原子炉温度上昇
二月六日、福島原子力発電所二号機の原子炉温度が上昇しているという発表があった。
東京電力(この電力会社は信用置けないが)によると「下部温度の上昇に関しましては、再臨界ではなく、注水量の変更にともなう除熱のありかた、水の流れ等が少し以前と変わったせいではないかと考えております」。
しかし、四日間でおよそ二十度上昇し、冷却水の原子炉への注入量を一時間あたり三トンに増やすとしている。
「再臨界の危険性はなく、冷温停止への工程にはなんら変化をきたすものではない」と東京電力は話すのだが・・・・・・。
「現代詩手帖」六月号に以下のような二つの詩が載っていた。二人の詩人のその一部を紹介しておく。
いまここにこれらのことを
高橋睦郎
-----略
雨が来た
(雨まじりの雪 雪まじりの雨)
雨が降る
(雨は瓦礫を洗い死者たちを慰めるのか)
雨が降る
(雨は流亡する人びとを労わり遺棄された田畑を愛撫するか)
雨が降る
(雨は炎上する原子炉を冷やし暴れる原子核を宥めるか)
雨が降る
(雨は希望であるか重なる厄災なのか)
雨が降る
(壊れた陸に降る病んだ海に降りつづける)
-----以下略
原発のソネット
高野民雄
過ちは何度でも繰り返される スリーマイル チェルノブイリ フクシマ
やはりそうなってしまったね ああやっぱりそうなってしまった
けれどもやはり私たちは この国の最新科学技術は少しはましだと
思ってはいなかっただろうか 過去のいかなるにも地震にも耐ええるだろうと
二重三重の安全装置を備え 非常時の防災訓練もしていたという
そうだよね しかし非常時と言えば 老人・私は 戦中のことを思い出す
------以下略
日本はいま戦争をしています。
絶対に安全だといわれていた原子力発電所の事故と戦っています。いまの日本は太平洋戦争時下と同じく「戦中」なのです。
当時の標語
「欲しがりません、勝つまでは」
いまの標語
「欲しがりません、電力は。節電、節電、節電」
福島は、スリーマイルやチェルノブイリと同くフクシマなのです。もはや相馬馬追いで有名な「福島」ではないのです。
和歌山 なかお
和歌山 なかお
子どもたちの発想に勇気づけられます。
ジオラマ造りをしながら、心の中にいくつもいくつも重なった「悲しみ」と言う荷物をゆっくりゆっくりと下ろしていくのでしょうね。
スタッフのみなさん よろしくお願いします!
頼もしい子どもの お話しを聞いたら 私たちおとなも しっかりしなくてはと 思いますね!