ワクチンの打ち手として

今日は所属の海老名市医師会が行うワクチン集団接種の打ち手医師としての仕事でした。

13時45分から17時まで、実に300人を超える70歳以上の皆様にワクチンを接種していく仕事です。現在海老名市は打ち手を看護師と歯科医師に、ワクチン接種の最終判断の問診を医師が担当しており、実際に注射を打つという仕事は行っていません。看護の仕事の中で「筋注」は通常業務としてやっているので、下手な医師よりもよっぽど看護師さんの方が上手です。

それよりもこの「最終問診」はワクチン接種による事故や直後副反応の全ての責任が来るので、やはり医師でないとできません。今日は180人以上の皆様とサシで話して問診を行いました。

こちらは心療内科医なので世間話も交えて、リラックスしてもらえるように工夫しながら話しましたが、

「このワクチン接種、待ってましたか?」

との問いにはほぼ全ての人が、

「待っていたよ!」

と答えます。やはり孫に会えない、行きたいところにいけない…。そんな閉塞感を吹き飛ばすものとして皆さん期待していたことが肌身で感じられました。

それから

「副反応、不安ですか?」

との問いには、「すごく不安」が1割程度、「ある程度不安」が2割程度、そして「不安ではない」が実に7割を占めていたように思います。すごいなあ、と思いました。70歳以上と言えば激動の日本を生き抜いてきた人々。様々な人生経験を豊富に持っている世代なのだと改めて感心したし、一人一人の問診票には高血圧や糖尿病、気管支喘息、ガンの経過観察中と様々な病名は並んでいても、それを受け入れたくましく生きているご高齢ニッポン人の姿がありありと記されていました。

そんな皆さんはこれからもより良く生きるために、不安や迷いはあってもこのワクチンに期待して会場まで足を運んで下さっているのです。

畏敬の念を感じながらお一人お一人の問診を行いました。

問診票には「ワクチン接種可能」の欄に医師のフルネームを書くんですが、「桑山紀彦」と書いたら、あるおばあちゃんが、

「あれ?桑山さん?あのえんた~ていな~(エンターティナー)の?」

そう。海老名市主催の「地球のステージ」に毎回足を運んで下さっていた人でした。

周りのおばあちゃんたちがざわめき始めたので

「はい、今日はこんな役割で…。」

と笑顔で次の人に移りました。地元というものはありがたいものです。

今日は救急担当もまかされましたが、幸いメンタルに不調となった高齢男性のみが対象となっただけで、みんな元気にワクチンを打ち終えて帰っていかれました。

このニッポンをここまで豊かにした世代。

今日は今のニッポンを見直すことのできる機会を与えてもらえたように思い、会場から去り難かったです。

6月にはあと1回、この仕事があります。張り切っていきます!

 

桑山紀彦

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