新年のごあいさつ

みなさま
 明けましておめでとうございます。
 被災した翌年、2012年1月1日は、まだ1年もたっておらずとても正月を祝うなどという気持ちにはなれませんでした。
 周りのみんなもそうで、ただひたすらに1日が過ぎていく感覚をどこかで考えないようにしながら、こういった「正月」というイベントを気にしないで乗り切りたいと思っていました。
 本当に心が疲れて「祝う」とか「おめでとう」などという気持ちに、全くなれませんでした。
 その翌年の2013年1月1日。
 相変わらずまだまだ「祝うという気持ちにはなれない」「おめでとう」という言葉もどこかで気持ちにしっくりこないという感じでした。でも確実に前の年よりは心の中に余裕が出ていたことを想い出します。
 そして今年2014年の1月1日。
 津波の日を「今年」と言っていた2011年、「去年」とわかりやすく呼んでいた2012年、「2年前」と表現していた2013年も過ぎて今日からは「3年前の出来事」と言わなければなりません。
 それなのに、被災地はまだ更地のままで、遅々として復興の槌音は感じられていません。それでも人々の記憶からは忘れ去られ、どんどん「昔の出来事」になっていきます。年を重ねるとさらにそうですね。
 でもそれは当たり前のこと。人は忘れる生き物ですからそれを非難することはできないと思います。
 そこで大切なことは、
「津波という“事実”は忘れても、そこから“学んだこと”は忘れない。」
 ということ。
 命の大切さ。優しさや思いやりの意味を学んだ私たちは、せめてそれだけは「忘れない」と心に刻んでいくべきだと思います。
 そして、人間の記憶は反復することによって、より確かな記憶に固まっていきます。
 だから僕たちは津波の映像を反復することによって津波の事実を忘れないのではなく、津波から学んだことを反復してその愛や優しさを忘れないでいくことが大切な1年になると思います。
 パレスチナの2つの事務所の開設。東ティモールの2番目の事務所、グレノ事務所の開設で2つの活動地の日々がもっと活発になること。「閖上の記憶」の活動展開。そして大川小学校のご遺族の皆さんとの関わり・・・。まだまだ課題はたくさんありますが、日々のステージを常に良いものにしていくことが最も重要な活動と位置づけて、今年もがんばりたいと思います。
 そしてスタッフみんなが健康でありますように。
 皆様の応援が日々変わらず、暖かいものであることに感謝しながら、初頭のあいさつに代えさせていただきます。
 今年もよろしくお願いいたします。
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1月1日雪の降り始めた飛騨高山「古い町並み」の夜
桑山紀彦

新年のごあいさつ」への5件のフィードバック

  1. 2014年あけましておめでとうございます。
    新しい年を迎え、またこの一年が地球のステージのご活動におきまして新しいステージと軌跡が生まれていくことに、心から応援しています!
    桑山さん、そしてスタッフの方々、関わるみなみなさまのご健康とご活躍をお祈りし、
    地球のステージのますますの発展を願っております!
    ありがとうございます!

  2. 地球のステージのブログはニュース以上に真実が語られ勉強になっています。
    思いやりを忘れない1年にしましょう。

  3. 地球のステージはずっと「命の大切さ」を伝えて来ましたね。
    これからも見る人の心に種をまき続けていってほしいと思います。
    継続してステージを開催できるよう応援して行きます!

  4. あけましておめでとうございます。
    日々のステージでの内容が震災前と後ではガラリと変わってしまって大変だと思いますが一歩一歩確実に地球のステージ1~6のステージが出来てると思うので精一杯がんばってください(*^o^*)
    応援しています(o^∀^o)

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