6年目の大垣北高等学校

さて、今年も6年目になる岐阜県立大垣北高等学校のステージがありました。

 一つの見方に過ぎませんが、偏差値で言えば県内トップのこの高校は、今年6番の演目で呼んでくださいました。
PA305361.JPG 大垣北高校の会場の様子

 今回6番で構成したのは、

「ルワンダ篇」~ルワンダの高校生が平和や愛を歌い上げるというお話

「東ティモール篇3」~現在の「地球のステージ」の活動と、現地代表、アイダ医師の人生

「タンザニア篇」~協力隊海老名さんの活躍と、一緒に曲を創って歌った日々のお話

「ブータン篇」~ブータンは本当に「幸せの国」なのか、という問いかけと「お金ではない価値感」の存在

「震災未来篇」~震災4部作の3部目

 という新しい内容になりました。北高のみんなはどんなふうに内容を受け止めてくれたかな?

 そして恒例になった座談会。

 いつもそばにいてくださる高木先生がおっしゃいました。

「今年はいつもにも増してみんな泣いているな。」

 そう、この超進学校は、進学校であるが故に悩みも大きいのです。特に

「医者になりたいと思うけれど、なかなか成績が付いていかなくてだめかもしれない。」

 という不安。この時期は望みの大学には入れないということは、人生も終わるのかというくらいの不安に陥ります。僕もそうだった。
PA305366.JPG 座談会の様子

 だからみんなに伝えました。

「人生は縦糸と横糸で織りなしていくもの。その基本となる縦糸はまさに「どう生きるか」。それは「見て見ぬふりしないで生きていきたい」「人と関わって生きていきたい」「何か一つのことに集中してマニアのようになりたい」など、まさに「生きざまの糸」。そして、横軸が大学や学部。
医学部や理学部、文学部、国際関係学部。その縦糸と横糸が交わったところで人生を決めていくのだけれど、やはり大切なのは縦糸だ。自分は見て見ぬふりをしないで生きていきたいという「生きざま」を確認したら、それは医学部でも文学部でも国際関係学部でも実現できるはずだ。
だからまず、自分はどんな生き方をしたいかを今胸に手を当てて考えていこう。それがある程度はっきりしているならば、例えば医学部を目指していて、なかなか成績的に厳しくても恐れることはない。それで他の学部を選択していっていい。だって、「生き方」という縦糸はぶれていないのだから。」

 医学部というのはとても特殊な学部であり、決して入りやすい学部ではありません。だからもしも、頑張って頑張って、それでも成績的に難しくても、決して落ち込むことはない。もう一度頭を切り換えて、自分が目指せそうな大学や学部を選び、そして縦糸である「生き方」を実現すればいいと思うからです。

 何かをあきらめたら、いつまでも、

「自分は本当は○○になりたかった。」

「自分は本当は○○学部に行きたかった。」

 という思いで苦しむことになってしまうと不安に思う人がいるけれど、決して人生はそんなふうにはできていないと思うのです。

 一生懸命生きていけば、いつか、

「自分は○○にならなくてよかった。だって、そのお陰で今こんな仕事ができているんだから。」

「自分は○○学部に行かなくて良かった。だってそのお陰で、こんな素敵な勉強ができて、こんな素敵な人たちと一緒にいられることになったのだから。」

 と思える日がくるのです。
PA305369.JPG 縦軸と横軸を説明しながら板書

 

 苦しいこと、落ち込むこと、悩むこと。それは高校生にとっては本当に大変な思いだと思う。でも、ブータンのワンチュク国王が言っています。

「私たちひとりひとりの中に「人格」という龍が存在します。その龍は心の中に居て、『経験』を食べて成長します。その龍は、年をとり、経験を食べるほど、大きく、強くなっていきます。人は経験を糧にして強くなることができるのです。」
 北高のみんな。
 前を向いて歩いて行こう!

PA305370.JPG 大垣北高のみんなと

PA305373.JPG 
担当の山田先生(左)と被災地にも足を運んでくださった高木先生(右)と一緒に校門前で
 さて、公演のお知らせです。
 

11月9日(土) 地球のステージをとやまによぶ会 「ステージ2+震災篇」

            会場: 高岡法科大学

       富山県高岡市戸出石代307-3 Tel)0766-63-3388

            開演:18:00  開場17:30

            大人 前売り 1,500円 当日 2,000円

     こども 前売り 500円 当日 800円

     親子券 2,000円

桑山紀彦

6年目の大垣北高等学校」への4件のフィードバック

  1. 半世紀を生きて来ると、あなたの今日のコメントが本当に良くわかります。医学部志望の生徒諸君へ、法学部も視野に入れてみてはくださいませんか?実は文系の学問の中で最も理系に近い「考え方」「方法論」を採るのが法律学なのです。
     今日は我らが父・進の8回目の命日です。

  2. 我が子の小学校に
    桑山さんが講演に来て下さる事が決まり!!!
    私はウキウキウキウキしています。
    子供たちはみんな
    きっと
    世の中に起きている事を知り
    何かを感じ
    自分の将来の夢を真剣に考えるようになってくれるだろう。
    と期待しています。
    桑山さんの講演の様な 素晴らしい きっかけに出会い 人生の目標が出来たら
    きっと
    「勉強しろ 勉強しろ。」
    って言わなくても
    例えば
    「人の役にたつ医者になる為には今勉強しなきゃ!」
    って思うはず。
    子供たちの心にきっかけが生まれるのを
    楽しみに
    お待ちしています。

  3. 経験をする社会へ進む前の不安をどう乗り越えられるか。
    ぶれない生き方を決める~すごいヒント~高校生に伝わるといいですね。

  4.  こんにちは。メールを出そう出そうと思って遅くなってしまいました。先日大垣北高校で行われた桑山さんの『地球のステージ」に保護者として参加させていただきました。桑山さんのことはNHKの『東北発・未来塾」という番組で初めて知りました。その番組を見ながら止めどなく涙がこぼれました。その桑山さんに子どもが通っている高校にみえることを知り保護者というより一個人として参加させていただきました。とても感動的ステージをありがとうございました。また涙がこぼれました。

 大垣北高校保護者 へ返信する 返信をキャンセル

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *