初の修学旅行受け入れ

今日は津波記念資料館としての「閖上の記憶」が、初めて受け入れる修学旅行団とのワークショップの日でした。

 北海道の白老中学校の3年生が、勇気を出してこの閖上の被災地に来てくれたのです。考えたのは片岡先生という一人の先生でした。ついにこの地に100人弱の中学生を連れてきてくれました。
 綿密に計画を立て、みんなを受け入れました。
 まず最初は丹野祐子さん、小齋正義さん、橋浦繁美さんという「閖上の記憶」が誇る3人の語り部&案内人に一クラスずつ受け持って頂き、案内しました。3人とも今ではもうベテランできっちり1時間ですばらしい案内でした。
 そして名取市教育委員会の許可を頂いている「閖上中学校校内の見学」を行いました。やはり、同じ中学生が廃墟となった中学校を見る事には大きな意味があります。引率の先生も
「やはりこの中学校を見る事で、津波の恐ろしさ、哀しさがよく伝わってきました。」
 とおっしゃいました。閖上中学校は絶対に残すべきだと思います。
 そしてついに初のワークショップ「失われた時を求めて」に入りました。
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 これは、5~6人のチームに分かれて、閖上の地図とコンパス、「指令の書」が渡されます。そしてその「指令の書」に書かれている住所を見つけ出すべく、更地になった閖上の街を歩きます。
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 みんなが協力し、地図をよく読み取りながら、その住所をたどります。それは10人の個人宅と3カ所のお店、3カ所の公的機関です。そしてその場所にたどり着くと「時のカプセル」が埋めてあります。それを手に入れて蓋を開けると、そのお家に住んでいた人々の津波以前の様子や津波で失われたもの、その後どう生き抜いてきたのかの「物語」が書かれています。
 それをみんなでその場で読み、人々の生きてきた事実に接するのです。
 そして以下の質問に、みんなで話し合って言葉を入れていきます。
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みなさんが一番印象的だった「風景」は?

「はっ」とした気持ちになった「物」は?

目を閉じると思い出される「音」は?

息を大きく吸ったときに感じた「におい」は?

吹いてきた風や空気に色を付けるとしたら?

ここにいた人にひとこと言葉をかけるとしたら?

 中学生たちはすばらしい感性でいろんな事を感じてくれました。

 まとめると、

「ここには今は人の生きていた音やにおいはない。あるのは海の音と風の香り。でも、更地になっているところにはお花が手向けられていたり、家の土台がちゃんと残っている。人々は、ここに生きてきた記憶や想いを今もきちんと持っている。だから忘れないようにしていきたい。」


 すてきな言葉たちをもらいました。


 また、こういった修学旅行をもっともっと受け入れていきたいと思いました。全国のみなさん、ただ見て、見学するだけではない、被災地を歩き、肌で感じるこの「失われた時を求めて」ワークショップを体験してみませんか!


桑山紀彦

初の修学旅行受け入れ」への7件のフィードバック

  1. ・・・ありがたいですね(泣)
    中学生の皆さんはきっと、多くのことを
    持ち帰ったことでしょう。

  2. 修学旅行で来てくださるなんて有難いことですね。
    受け入れが出来る閖上の記憶のスタッフがまた、すごいですね。
    閖上の記憶をつくった甲斐がありましたね。
    とっても感動しています。

  3. 本当に素晴らしいことですね!
    片岡先生と言う一人の先生の働きかけで、子供たちいい経験しましたね。こんな素敵な先生のいらっしゃる中学校に子供を通わせたいものです。

  4. 素晴らしいです。
    何か出来ることを‥と、アンテナを張ってみえる先生は素敵です。生徒さんにも大切が伝播すると思います。

  5. 「閖上の記憶」意味、存在感を実感させられました。
    もっともっとたくさんの中高生に知ってほしいですね。

  6. 桑山さん、昨日はありがとうございました。(o^∀^o)
    6月にまた会いましょう(o^∀^o)
    子供たちに、是非歌詞を渡してあげてください(≧∇≦)
    身体に気をつけてステージ頑張ってくださいo(^-^)o
    応援していますo(`▽´)o

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