完成試写会の日

今日はシネマワークショップの第4作品目「飛行機のおなか」の完成試写会です。

 みんなよく頑張りました。セリフも、演技もちゃんとうまくなってきていると思う。みんなで完成した映画を見ての反省会。
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「大変だったことは?」
「そうだな、セリフが長くて覚えきらなかったことかな。」
「アドリブでセリフを言うときに決められなくてなかなか大変だった。」
「よかったことは?」
「いろんなロケに行けたことかな。」
「みんなでちゃんと完成させられたことかな。」
この1年で本当に大きく成長したゆりあさんが言いました。
 そしてケーキとジュースで乾杯。いよいよ第5作目「不思議な石」のコンセプトつくりです。
「みんなおばけ信じる?」
「信じる~!」
「え~私は信じない。」
とののかさん。
「なんで信じないの?ののかさん。」
「だって非科学的だもの。」
するとゆりあさんが言いました。
「魂が地上に残っているってことはあるんじゃないかな。」
「そうだね。みんな津波で亡くなった人はどこへ行ったんだろう。」
「う~ん、天国だと思う。」
「じゃあ、その天国に行った人たちが、伝えたかったことってあると思う?」
「うん、津波で急に亡くなったから、言い残したことがあるはずだよ。」
「誰に?」
「家族にだよ。」
みんなとてもしっかりしています。
「じゃあ、そんな言い残したことが、破片が集まって石に戻った中から聞こえて来るというのは?」
「いいと思う。」
とゆりあさん。ののかさんも賛成してくれました。
「じゃあ、その聞こえてくる声は、映画を撮影しながらみんなで一緒に考えていこうね。」
 とてもスムースに話し合いが進んでいきました。そしてこの5つの石の破片がそれぞれ見つかるところは、子どもたちの失われた家の跡ということになりました。6人の子どもたちのうち、4人が家を失っています。でも残りの2人の家だって1回に津波が来て大変でした。
 突然ゆりあさんが言いました。
「そういえばわたし津波が来たとき、とにかく走ったなあ。もうこれ以上走れないってくらいに走ったんだよ。」
みんなの語りが始まります。
「ねえみんな、今さら津波のこと語るってのも嫌だって気持ちある?」
「うん、わたしはあるな。」
とののかさん。
「でも、ちゃんと語って伝えていかなければならないんだよ。」
とゆりあさん。どちらの意見もその通り。
「でもののかさん。これからきちんと津波のことでもちゃんと語れるようになっていった方が良くないかい?」
「うん、それはそうなんだけど、やっぱり津波のことは辛いな。だってわたし死にそうになったんだもん。」
「そうだね。でもだからこそその時のことをちゃんと伝えていった方が楽になるんじゃないのかな?」
「そうだね。」
ののかさんも方向性に合意してくれました。
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 さて、いよいよ「不思議な石」のクランクインです。まずは来週は衣装合わせ。そして9月第一週から撮影スタートです。この子どもたちは、石を探して歩きながら、被災当時の状況をきちんと語り、しかも北釜では家を今でも残している鈴木さんというおじさんに出逢い、築道では津波に流されかけて九死に一生を得た菊地和子ばあちゃんと出会う設定になっていきます。そこでいろんな出逢いを経験しながら、ちゃんと津波のことが語れるようになっていく。それが所のシネマワークショップの目的です。
 請うご期待。
 そして同時にこの様子はNHK~Eテレの人気番組「東北発・未来塾」の10月に流れます。今日からロケが始まりましたが、10月の講師はなんと桑山紀彦です。
 こちらも請うご期待!
桑山紀彦

完成試写会の日」への2件のフィードバック

  1. 未来塾の10月講師が桑山さんなんですか?
    それなら、いつもの桑山さんで頑張って下さいね。 子供達は考えている事や思っている事をどんどん言葉で表現してるんですね。

  2. 完成パーティーを開いてみんなで想いを共有できるのがいいですね。
    新作には和子おばあちゃんも出演するんですね。
    地域の人たちとの関わりも見どころですね。楽しみにしています。

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