ガザ地区入域&「写真を撮る」ということ

まずは桑山です。

 明ちゃんとパレスチナに向かったものの、テルアビブ空港に桑山のカバンが届かず、立ち往生です。二人で話し合い、明ちゃんがイスラエルサイドに残り明日カバンを受け取って入域。桑山は活動があるのでもうガザに入り、今日はラファにいました。

 早速通訳のアーベッド、運転手のマジディと再開し、明日からの心理社会的ワークショップの打ち合わせをしました。そして遅い昼食です。今日はアーベッドの家に招かれました。

 出てきたのはなんとも巨大な、ファッタです。

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 小麦の生地の上に味付けして蒸したご飯をひき、その上に鶏肉を豪華にちりばめたベドウィン族の料理です。アーベッドの奥さんのイスラームが作りました。

「アーベッド、これって何人分?」

「もちろん俺たち三人分だよ!」

「無理でしょ!」

 でもパレスチナの料理がいつも感動させてくれるのは、一つのプレートの上のものをみんなで食べ合うことですね。これから連帯感が生まれないわけがありません。本当に、人の絆でつながっている人たちなのです。

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 さて、このファッタに辛~いダッガッ・フィルフェルというソースをまぶしてどんどん食べていきます。

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 招いたアーベッド、招かれた僕とマジディはどこで食べることをやめるか、いつも読み合いしながら食事します。そしてマジディが一生懸命食べて、自分の領域を減らしているのに、アーベッドが無神経にも、

「ほらもっと食べてよ」

 とチキンをよそううと、マジディは真剣になって、

「もう食べられないっていったろうが!」

 と怒ります。もちろん冗談レベルではありますが、表情は本気です。

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 そして食事は終わっていきますが、全体の4分の一も食べられませんでした。実はこのあとアーベッドの3人の子どもたちがすぐに平らげてしまうのです。

 そんなアラブの男たちは本当に子どもが大好きです。

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 自分の子じゃない、場合によっては誰の子かわからない時にも十分な愛情を注いでいきます。こんな時、やっぱり人間は性善であるとまた確信するのです。


 さて、ここからは我がスタッフにブログの穴を埋めてもらいましょう。

 でもその一方でパレスチナの状況も変わらずお伝えてしていければと思っております。


桑山紀彦


→日々の活動の報告をまずは看護師の一人、宗貞より行います。


 スカイルーム担当スタッフのNICCO宗貞です。

 火曜からパレスチナ海外出張中の桑山さんと明子さんが帰国するまで、私たちスタッフが交替でブログ掲載いたします。よろしくお願いします。

 現在、子どもたちが取り組んでいる「写真表現プログラム」は既に4週目に入りました。

 開始当初、株式会社CASIOさまからご寄贈いただきました個人用デジカメを与えられ、こちらが説明する前から目に入ったものをバシバシ撮りはじめた子どもたち。

3年生ともなれば教えていないのに動画も撮影してきて「僕のこれ見て~すごいよ!」と。

さすがデジタル世代…以前取り組んだiPadアプリはもちろん、今どきデジカメで撮影するなんてお手のもの、迷いがない。

ただ、一見すると自在に撮影しているようでも、ピンぼけや被写体の見切れ、過発光、いやがる人にカメラを向けてしまったり…と何でも撮ってしまう危うさは無秩序な子どもカメラマンになってしまいます。更におふざけが行き過ぎると、単にパパラッチです。

ワークショップでは「デジカメのすてきなとりかた」導入学習とともにルールを共有し基本操作や技術を獲得してから、いざ撮影へ!

ドクトルからの導入学習を真剣に聴く子どもたち

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デジカメはフィルム時代と違って、枚数なんて気にせず簡単にシャッターを押せる。不要な画像はゴミ箱へポイッ!ですから簡単になりました。

昔は「この一枚」に画角や構図、被写体のココ!という瞬間を残そうと気持ちを載せて工夫を凝らし集中してシャッターを押していたものですから、

現代は手間とともに一枚の重みが違っているように感じます。

偶発的に芸術的であったり驚くような画像が撮れていても、そこに本人の気持ちや撮影理由がない。

これでは、子どもたちのとらわれのない素直な目線が切り取る作品がもったいない。

「写真を撮る」ということは…

写真の中に、その世界のストーリーや事実を「切り取ること」であり、技術や工夫で高められた一枚を撮影者の気持ちとともに「残すこと」なのですから。

子どもたちの撮影した写真も、適当に撮ったものか、感情が伴うものか、工夫したものか、すべて自分の真実を写し出します。

文字通り「画像」なのではなく、真実を写すことが「写真」なのですから。

積極的に屋外活動へも繰り出して撮影

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デジタル世代の画像撮影は、素直な目線と自由な表現でこれまでテーマに合わせて様々に撮影表現しながら進んでいます。

写真表現プログラムの目的「自分の内面を表現する」ことの楽しさは「写真」にして返すことが客観視であり作品化であり、みんなで眺めながら他の人との違いも共有。笑い有り、驚きあり、やや飽きもありながら経験と学習でグングン促進されます。

「写真を撮るということ」「自分の内面を表現すること」なんて理屈や難しい問題も解きやすい形に替えて問いかける…ファシリテーターの腕の見せどころです。

私たちもより良いワークショップを目指して、毎回議論して考えて試行錯誤しながら子どもたちと進んでいます。

いよいよ最終週のテーマは「自分が伝えたい○○~写真に気持ちを込めて~」です。

名取の子どもたちは、いったいどんな気持ちで何を「切り取る」のでしょうか…!?出来上がってくる写真が楽しみです。

地球のステージは、映像や画像を豊富に用いて公演活動を行なっております。

NICCOでも、各事業の様子や活動報告をHP&スタッフブログで紹介しておりますので、是非、地球のステージ共々ご覧いただけますと幸いです。

宗貞 研

▼国際協力NGO 公益社団法人 日本国際民間協力会NICCO(ニッコー)

 http://www.kyoto-nicco.org/index.html

ガザ地区入域&「写真を撮る」ということ」への4件のフィードバック

  1. 豪華二本立てブログですね。♪♪♪
    明ちゃん、一人で入域するんですね。頑張ってね!
    写真を撮ることの意味、改めて考えました。
    みんなの伝えたいもの、何かな~?
    写真も紹介していただけるとうれしいです。

  2. ファッタ、食いたい!
    ダッガッ・フィルフェル、いかにも辛そうな名前だなぁ。
    これつけて、ファッタ、食いたい!

  3. ガザ入域はいつもなにかがおこりますね。はらはらドキドキです。帰りはなにも起こりませんように!
    スカイルームの【俄かカメラマン】・・屈託のないのが子供の特徴であり良さでもあります。
    ルールとマナーさえ自覚させればあとはフリーでいいんじゃないですか?無茶苦茶撮りの中ら光るものを見つけてあげて下さい。

  4. ファッタ…ピザみたいな感じ?美味しそうですね。 私も 最近 写真を撮ってます。山口に帰る事が増えたので、特に、生まれ育った山口市名田島を。今朝は、田植え前の耕され水がはいった田んぼに、せ~のって声でもかけたように一斉に飛んで行く燕を撮りました。子供達と見せっこしたいなぁ。

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