マダム・サチコ

 カンボジアのアンコールワットを訪れた人は必ずシェムリアプという街に滞在すると思いますが、そこで「アンコール・クッキー」というおみやげを買ったことはありませんか?

 日本人の小島(おじま)幸子さんが経営する「アンコール・クッキー」は評判を呼んで今やアンコールワット観光のお土産の定番です。
 「アンコール・クッキー」はこちらから
 それはまず第一にカンボジア人によって手作りされていること。そして、なるべくカンボジアの原材料にこだわっていること、そして味が良いことで有名になりました。
 そのアンコール・クッキーを作っている会社が「マダム・サチコ」という法人です。その「マダム・サチコ」から昨年3月、200万円を超える支援金が送られてきました。津波被害でカンボジアから何が出来るか考えた幸子さんは、周囲のカンボジア人に呼びかけ、自らの会社からも支援金を拠出してこの巨額の支援をしてくださったのです。間に入ってくれたのは、もと朝日新聞記者で、現在カンボジアで発行されている日本語情報誌「NyoNyum(ニョニュム)」の編集長、木村文(あや)さんでした。文さんとは長い付き合いですが、こうして人が人をつなげて、カンボジアからの「心」があの緊急救援でごった返していた「東北国際クリニック」に届いたのです。
 今回、幸子さんに逢いたかったのは、ちゃんとお礼をいいたかったからです。
 幸子さんは笑顔で逢ってくださいました。
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「あの時、私たちは遠いカンボジアから何が出来るのか、模索していました。そんな時、直接支援できる先として桑山さんたちの活動を知り、関わりを持つこととなりました。
 それこそ、日々の暮らしも大変なはずのカンボジア人が、それこそ1000リエル(約25円)とか、3000リエルとかを寄付してくれるんです。それが大きなうねりとなってたくさんのお金が集まりました。それに、「マダム・サチコ」も会社として支援を重ね送金しました。その送金の時も、わざわざシェムリアプの銀行が「そういうことなら、手数料がかからないようにするから」と言って奔走してくれました。
 カンボジア人の暖かい気持ちに私たち日本人が触れることが出来て本当に良かった。この国を応援してきて、本当に良かったと思える瞬間でした。
 やはり、日本人は長い歴史の中でコツコツと国際協力をやってきましたよね。どこかの国みたいに、自分の利権を将来得るために道を作ってあげたり、橋を架けたりという見え見えなことは一切してきませんでした。それが今ちゃんと評価されて、「困ったときはお互いさま」の気持ちでカンボジア人が動いてくれました。
 出来ることしか出来なかったけど、この国に関わって12年、本当に嬉しかったです。」
 
 私たちが苦しかった最初の3週間、そしてその後の3ヶ月を乗り切ることが出来たのは、こういう世界中の「心配しているんだよ」という気持ちによって支えられたからです。
 カナダから、イギリスから、韓国から、そしてタイから・・・。私たちにも直接支援が届いてきたのです。
 幸子さんが言いました。
「でも大切なことは、その国を応援すると言うことではなく、「誰かを応援している」と言うこと。私たちは宮城県名取市の病院の院長、桑山さんという人を応援しました。そうすることで人はがぜん具体的に被災地を応援している気持ちとなり、気持ちが入ります。
 これからも、何かあったら「○○国の○○さんを応援するぞ!」という気持ちで行きたい。そういう人と人のつながりが、やっぱり一番大切なんだと言うことを知ることができてよかったと思います。」
 こうして世界はつながっていきます。
 これからもカンボジアと日本が良い形で交流して、どちらかに国に何かあったとき、どちらかの国がちゃんとこれからも応援していけますように。
桑山紀彦

マダム・サチコ」への8件のフィードバック

  1. 人と人とのつながりは心がつながるから温かいですね。
    顔の見える支援が一番だと思います。
    これからも地球のステージを通して出合った世界中の人達とつながっていきたいです。

  2. 日本のODAって、「どこかの国」と違って、アピールが下手で、費用対効果が低いなんて批判されたりしたけど、あんがいそれでよかったんですよね。
    でも、仕分けされちゃいました。どうなってるんだ!この国は…。

  3. カンボジアのみなさん、幸子さん、ありがとうございました。アンコール・クッキー食べてみたいです。
    私が桑山先生に出会え、事務局のみんなに出会え、にゃんこを通して全国のみなさんと出会えた事を感謝しています。 まだまだ乗り越えられない事、受け入れられない事…沢山有りますが、みんなに支えられてる事を胸に少しずつ前に進まなくてはと思ってます。 日曜日気を付けて帰って来てね。名取で待ってます。

  4. そういえばひも付き援助なんて言葉ありました。
    無償の援助が人の心に沁み込むということですね。
    目立たぬ活動を継続することは大変ですが見ている人は居ますね。

  5. 桑山さんは、『固有名詞の出会いをしてきてください』と行って協力隊訓練生を送り出してくれます。
    そうなのです。〇〇に住む△△さん、今どうしてるかな?あの国今大変な事になってるけど大丈夫かな?
    △△さんの住む国(町)を応援したい…
    こうしてつながっていくのですね。
    地球のステージでは物語の主役として、一人一人がクローズアップされ、登場します。時には数年後のにも登場します。
    私たちは桑山さんのステージやブログを通じて、会った事がなくても、江里ちゃんたち閖上の皆さんとの個人的な繋がりを感じ、やはり個人的に応援したい、支援したい…と感じます。
    『固有名詞の出会い』が、世界中にいる『大切なあの人』を助けたいという思いが、大きな支援になっていくのですね。

  6. 『カンボジア』は私にとっても特別な国なので、
    『地球のステージ』で関わりをもって下さっていることが
    とても嬉しいです。
    今まで海外に出たことはありませんが、この国に3人の里子がいるので、
    近いうちにぜひ訪れたいと思っています。
    最近、被災地に住むRさんと文通が始まりましたので、
    東北地方も、必ず訪れるつもりでいます。
    個人的で小さな交流ですが、今では
    「○○ちゃんがあそこに住んでいる」
    という想いが心にしっかり根を下ろし、
    その人、その場所が特別なものになっています。
    もしカンボジアに行けたなら、「マダム・サチコのアンコールクッキー」をお土産に購入します。そうしたら、
    『マダム・サチコ』→『地球のステージ』だったものが
    お客→『マダム・サチコ』→『地球のステージ』→観客(お客)と、支援が“輪”となり繋がりますね。

  7. 何かあったら「○○国の○○さんを応援するぞ!」という気持ち,固有名詞の出会いを大切にする・・・これこそ確かな『絆』というものですね。自分も大切にしていきたいです。
    しかし、息子さんお二人もお父さんを通して、大切なものを学んでいっていますね。すばらしい親子だと思います。気をつけて帰ってきて下さい!

  8. アンコールクッキー、本当に美味しいですよね。桃子のお土産で何度かで会う機会がありました。そしてアンコールワットの描かれた箱は大切に取っています。そのマダムサチコと周囲の方たちの想いのこもった支援に感動したことを思い出しています。カンボジアには友人夫妻(サカモトくんです)がすんでいるし、地球のステージの登場人物への想いとともに、いつか会いに行こうと思っています。○○にすむ☆☆さんに会いに行く、そんな旅の醍醐味を地球のステージのお陰で知ることができました。
    どうぞいい旅を☆ミ

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