ワークキャンプ2日目

 今日は1日山の中で過ごしました。

 山形の自然が心の解放にどんな効果があるのか、最初はわかりませんでしたが参加してくれた高校1年生たちは、たくさん語り、たくさん話してくれました。

 午前中はチームビルディング。お互いの仲間意識や協力の気持ちを高めるためのワークショップです。これはPA(Project Adventure)の一つの手法としても有名でしたが、とてもほぐれたと思います。もちろんいろんな高校1年生がいますが、精一杯自分らしさを出してくれたように思います。

 そして午後は僕の担当です。まずは座談会。

 最初は自分の高校時代の話をしてみました。少しでも親近感を持ってくれればと思いました。その後は閖上の「あの日」の話になっていきました。正直「語る」事に慎重になっている、あるいは拒否的になっている心もあるだろうと思っていたのですが、全くそんな事はありませんでした。正直、みんな語る語るという感じ。まずは自分の閖上中学校の様子をいろいろと説明してくれました。

 地震が来た2時46分、みんなほとんど閖上公民館で卒業式の謝恩会に出ていました。地震が来て、外に出る人、2階に逃げる人、様々だったようです。そして多くが閖中に逃げていきましたが、その時の詳しい様子が語られて行きました。閖中にたどり着いて助かった人。逃げ遅れてしまった人。流されたけど九死に一生を得た人・・・。

 こんなにもちゃんと話してくれるのか、とほっとしました。そして思ったのが、

「みんな心の整理と語る準備をしていたんだ」

 ということでした。僕たちはよき聞き手になればいいのです。

 そしてAnger Management(怒りのコントロール)に入ってきました。

 これは、鉄板に書かれた「同心円」に叫びながら粘土をぶつけるものです。粘土は3色。赤は「怒りの感情」や「謝りたいと思っていること」「後悔している気持ち」を表すもの。

 緑は「感謝の気持ち」や「愛を感じること」を表すもの。

 黄色は「なんだかよくわからない気持ち」を表すもの。

 それを選び、自分なりの注釈を語った上で感情を吐露していきます。例えば、

「津波のバカやろ~!」(赤)

「お母さんありがとう~!」(緑)

 です。

 この手法は僕がノルウェーに留学した時に始めて触れて勉強させてもらったものです。その後、ハーバードのモリカ博士と共同研究している時も触れた手法です。だから日本で行うのは初めてですが、きっと文化を越えた普遍性があると信じて取り組みました。

 最初はなかなか出てきませんでしたが、ゆっくりと、しかし確実に粘土をぶつける人が出てきてくれました。ぜひ明日、ブログに書くことを許可とって詳しくお伝えしたいと思います。

 

 夜は「地球のステージ~閖中卒業生版」でした。今回JICAで新作発表する「津波復興篇」を上演しました。高校1年生たちは、どんな感じを持ったのかわかりませんが、そのすぐ後に、何人かの高校生が、

「津波が来た瞬間の映像をちゃんと見たい。」

 と自主的に言ってきてくれたところが、すべてを物語っていると思いました。この方向性でいいと思うのです。ただ直接被災しているみんなだから、いつも慎重さを意識しながら上演していく必要があると思いました。

詳しくは、ブログ掲載の許可得る明日に書きますね~

久しぶりに山のロッジで雑魚寝状態だ~

桑山紀彦


ワークキャンプ2日目」への3件のフィードバック

  1. おはようございます。高校生たちの様子が目に浮かびます。帰国早々、お疲れ様です!でも良い時間となったみたいで何よりです。また、大変な日が始まりますが、ファイト一発?

  2. おはようございます。
    怒りのコントロール…初めて見ました!でも海外では行われてることなんですね、
    文化の違いに触れるって、最初戸惑うけど、すごく新鮮だなーと私もよく思います。
    帰国からあまり時間も経ってないのに、お疲れ様でした。
    今日の記事も楽しみに待ってます!

  3.  高校カウンセリング研究会に行ってきました。被災地(岩手県宮古)で支援に和歌山県から行かれた臨床心理士(大学で講師も勤める)坂田真穂先生からの報告がありました。子ども達ひとりひとりに割く時間がないので授業形式によるクラス全体での心の癒しを実施したそうです。
     終わると担任の先生から、この子ども達にどう接していいか相談があったそうです。先生も相当疲れており、先生のこころも張り裂けんばかりにいっぱいになっているとのことでした。そこで、スクールカウンセラーが配置されているので、スクルールカウンセラーと一緒に子ども達のケアーに当たったたらと、助言をしたそうです。スクールカウンセラーに話しをするとよく引き受けてくれたということでしたが、そのスクールカウンセラー自身も相談した先生も同じように家族を亡くしたりした被災者なのだそうです。被害の大きさに改めて愕然としたといいます。
     今回の震災津波の被害は、余りにも大きい。
     誰が被災者で誰が支援をしなければならないのか、まった見えない中での支援となります。
     僕たちは多くの人の、多くの声を集めなければいけない、それを今日の研究会で感じた次第です。
     
        和歌山  中尾

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