8回目のむつ工業高校

日本における高校公演で、最多の高校はどこだと思いますか?
 それは、青森県立むつ工業高校です。
 映画を入れて9回目、実に公演は8回目を数える日本最多の高校なのです。もちろんそれに続いて仙台ウルスラ英知高等学校、八戸ウルスラ英知高等学校、仙台尚絅(しょうけい)高等学校、奈良女子大学付属中高等学校など、5回を目前にした高校も増えてきましたが、断トツ多いのはこのむつ工業高校なのです。
 仕掛け人は熱い高校教師、南澤先生です。
 青年海外協力隊、マレーシア隊で現職赴任され、帰国後高校教師を続けている熱血です。昨年は映画になりましたが、今年は新たにステージの1番で呼んでくれました。
むつ高全景
むつ工業高校のステージ
 このむつ工業高校、9年間も連続して呼ぶというその先生や学校の方針もすごいですが、それ以上に生徒の質が非常に高いのです。まず会う生徒会う生徒みんな大きな声で挨拶してくれます。まるで全員が野球部のようです。これにまず驚く。
 そして、灼熱の体育館の中、みんな集中して熱心に聞いてくれるんです。しかも「聴かされている」のではなく、自ら「聴いている」のです。だから拍手が非常に強く、心がこもっています。
 それからトイレがきれい。廊下にもゴミ一つ落ちていない清潔そのもの。
 これはいったいどういう高校なのか・・・。
 工業高校の特徴として、みんな結構専門性を追いかけているというメリットがあります。だから結構みんなぶれないで既に将来の方向性を見据えている生徒が多いのです。
 それから、学校の方針がはっきりしている。それは人格育成に力点が置かれていること。だから、一人一人の生徒が重んじられ、それぞれに役割があるのです。生徒は自ずと自主的な思考を身につけていきます。
 それが、ステージの最中の聴く姿勢に現れていくんですね。
 そして単に「地球のステージがやってきた」ではなく「自分たちが呼んでいる」という考えに立っていること。だから、こんな歓迎のポスターが毎回ちゃんとあるのです。
むつ高ポスター
歓迎のポスター(生徒作)
 南澤先生はいつも言っているのです。
 「みんなに自信を持ってほしい。そして自分の中にある可能性を信じて一歩前に出てほしい。そのためには世界を意識できるような機会が大切なんです。そのために“地球のステージ”を毎年呼んでいるんです。マンネリしているという意見もあるかも知れない。でも、毎年そこに本音で語る桑山さんがライヴでやってくる。毎年違う内容と語り、その年の時事の話題を盛り込んでくれる。それが地球のステージの魅力であり、毎年呼ぶ意味なんです」
 そしてむつ工業高校の場合は、必ず最後の質問コーナーがあります。
 今日も活発に生徒たちが質問してくれました。
 南澤先生がさらに言います。
 「この質問コーナーにも意味がある。それはやはりそこに桑山さんがいて、生徒の質問に本音で答えている。世界を歩いてきた人が、本音で生徒たちに語りかけている、その時間もまた大切なのです」
 こうして今年もむつ工業高校の公演が終わりました。
 晴れ晴れとした気持ちでいつもむつの町を出て、下北半島を南下して野辺地に着き、レンタカーを返すと必ず駅前食堂で食べるのが「ホタテ丼」。地元の名物です。
 今年もぷりぷりとしたホタテ丼を明ちゃんと食べて仙台に戻ってきました。
 むつ工業高校のみんなに豊かな未来があることを願っています。
桑山紀彦 

8回目のむつ工業高校」への4件のフィードバック

  1. T中の3年の者です。^^
    地球のステージで出てきた子供たちの笑顔、
    とても感動しました。
      これからも頑張ってください。

  2. 八回もステージをしたなんて素晴らしいですね~
    自分は2回しか聞いたことないです(汗)僕の夢は全ステージを見ること何ですが、それは無理そうです。(泣)

  3.  こんばんは むつ工高での公演ありがとうございました。むつ工での公演は8回目になりますが、毎回新しい発見があります。今回も生徒たちは見入って、考えて、笑って、なにより楽しんでいました。パート5+特別編2というラインナップを考えると、毎年開催しても高校3年間では3回しか見られないというのは残念でもありますが、次の楽しみがあるということでもありますね。
     あっこんさん あなたには新たな出会いがあと6つも残っているんですよ。多分、むつ工のみんなもいつかどこかで「地球のステージ」のポスターを見つけては、新しい「地球のステージ」との出会いを求めて行くんだろうと思っています。
     むつ工での8回開催という回数は狙って達成されたものではなく、毎年の「やろうか? やろうよ!」という心の積み重ねでした。また、むつ工では「地球のステージ」開催に対する、生徒、教職員の理解と協力があります。そして、なにより「地球のステージ」と桑山さんにとても魅力を感じているのです。
     実はこの6年間くらいは、地球のステージ」を開催する予算の半分は、生徒が中心となって青森県教育委員会が主催する「ドリカム・人づくりプラン」というプレゼンのコンペティション(競技会)に参加し、その資金を得ています。今年度も予算の半分以上はそのコンペティションで得たものです。プレゼンの中心になっている生徒会や国際理解愛好会のメンバーは、先輩たちが獲得したように、自分たちも資金を獲得でき開催できたこと、学校のみんなのために「地球のステージ」を開催できたことを本当に喜んでいました。生徒自身が開催に向けて努力していることも、長く続いている理由だと思っています。
     今年の公演も終わりました。生徒にとっても、自分にとっても「地球のステージ」は続いています。また、来年会えるのを(ハグできることを)楽しみにしています。ありがとう!!

  4. 目的意識がはっきりしてると努力し易いものなのですね。
    …大学にも講演しにきてほしいです。

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