浩子先生、またしても”お見事、ぽん!”

今日は長崎県の島原半島にある南島原市でのステージでした。
 主催は南島原市の南有馬小学校6年生。担任はあの中村浩子先生です。
 今から数年前、浩子先生の勤める長崎県壱岐の島、初山小学校でミニライヴ・ステージを行ったあと、それをドキュメンタリーにした「逢いたい」というショート・フィルムを創りました。
 その素直で優しい小学生たちとの交流はとても感動的でしたが、そこには桑山が日本一の熱血小学校教師だと思う浩子先生の存在があります。
 何せ壱岐の島の郷ノ浦港に横断幕を作って小学生総出の出迎えには、同じ船に乗っていたお客さんもこのギター背負っている人は、どれほどの歌手か、と思ってくれたことと思いますが、絶対に顔を見て「知らんなあ」と思っていたはず。
 その浩子先生は2年前に転勤になり、このご自身の故郷に近い南島原に赴任されました。
 そこでまたしても「地球のステージ」の資料を使い尽くして教材を創り、子どもたちをどんどん盛り上げていき、果てにはステージまで呼んでしまったのです。
 果たしてそのエネルギーはどこにあるのでしょうか。
 
 今回は南島原市立南有馬小学校の6年生による、在校生への卒業記念の贈り物として「地球のステージ」が呼ばれました。校長先生が浩子先生の熱意に全面協力。父兄も一生懸命支えて一大イベントとなりました。
 会場の原城文化センターに着くと、6年生のみんなの歓声に包まれました。まるでタレント扱いです。全国広しとも、こんな歓待を子どもたちがしてくれるのは浩子先生の教え子たちだけですね。
 「去年紅白でも出たっけ?」
 と言うくらいの出迎えでした。
島原公演
出迎えと横断幕
 そしてすばらしいのは、基本的に6年生がすべて司会進行をし、一切先生や親御さんが前面に出てこないことです。何日もかけて練習し、その段取りがみんなの頭の中に入っているのです。
 そうして本番を迎えました。よく聴く子どもたち。反応もすばらしく、笑いも拍手も見事でした。後ろにはたくさんの父兄や地域の人たちが見守ってくれていて、会場は満員となりました。大成功だったと思います。
 たった小学校6年生で、こんな経験ができるなんてうらやましい。
 ある熱血教師が担当になったことで、世界のいろんな出来事が身近になり、果てにはコンサートステージも企画し、地域が盛り上がる様子が見られるなんて。
 当日のパンフレットはすべて6年生が一つ一つ素手で色を塗っていました。カラーコピーではありません。それを会場に来た人たちは手にして、大切に持ち帰っていました。
島原1
南有馬小学校の子どもたち
 浩子先生をみていて、いろんなところに「さすが!」と思うのですが、その一つにすべての人を公平に「・・・さん」で呼びかけることです。男子も女子も同じです。浩子先生が言いました。
「一人一人に独立した人間として接したいんです。ある子は呼び捨て、ある子はニックネームで呼ぶなんてことは決してできないですね。子どもはその微妙な“差”をすごく大きなものとしてとらえてしまいますから。だから、すべての生徒を(名字ではなく)名前+さんで呼びます」
 そして、発表する際に必ず発表者が、
 「発表します」
 と言い、直後すべての同級生が
 「はい」
 と声を発し、それを受け止めます。そして発表者がしゃべり終わったら、
 「僕も同じように思います」
 や
 「僕は違う意見です」
 と言ってから、自分の言葉を述べます。
 「それはコミュニケーション能力をきちんと身につけてほしいから」
 と浩子先生。
 また1日の終わり「終わりの会」の時は、すべての生徒の名前をみんなで呼び合い、「今日も1日がんばったよね」という意味を込めて
 「お見事、ぽん!」
 の言葉で締めています。今日もステージ撤収最終の時に、みんなの名前+明ちゃん+桑山の名前で、「お見事、ぽん!」でした。
 そうやって日々、浩子先生は子どもたちと心の交流を実践しています。
 「小学校教師は気力と体力勝負です」
 とは、浩子先生。
 お互いにつきることのないエネルギーを発し続けながら、日々を生きていきたいと思いました。
 100人規模の小さな小学校ですが、可能性は無限大だと思います。
桑山紀彦

浩子先生、またしても”お見事、ぽん!”」への3件のフィードバック

  1. 「お見事、ぽん!」いい言葉ですね。
    一人一人を大事に見守り、独立した人間として対等に接する。
    中村浩子先生と出会う生徒はなんて幸せなんでしょう!
    子どもたちの可能性を無限に引きだしてくれそうですね。
    中村浩子先生の存在を知らせてくださる地球のステージにも感謝します。

  2. 2010.2.13 原城文化センターにて「地球のステージ」公演が開催されました、6年生になり卒業前の素晴らしい出来事になりました、親としては大成功で嬉しいやら、担任の中村先生と離れてしまうのが寂しいやら、で途中グッとこみ上げてくるものがありました。
    中村先生を通じて多くの善き人との出会いがありました、それはいつもステキで心動かされる事も多く 人との絆の大切さを教えてくれます。それを我が子達と関わる事ができて感謝・感謝です。本当に世界の平和があるように思えました。桑山さん・後藤さんステキなステージ有り難うございました。                  mina。 

  3. 壱岐の島でのステージは、私にとっても思い出深いものでした。
    高速船ビーナス号が郷ノ浦港に着いたとき、横断幕を持っての出迎えは、私はそういった経験が全くなかったので、はずかしいやらうれしいやら!!
    中村先生の熱い思いが伝わってきたものです。
    帰りには、スタッフ一人ひとりに、生徒さんが、手紙をくださいました。
    そして、船を待つ間、海をバックに「落日の果て」を全員で合唱したのです。近づいてくるビーナス号・・・。
    わきに並んでいるお客さんたちは、「この人たち、誰?」って、思ったことでしょう。
    また、中村先生から託された、子供たちが折った千羽鶴を、バイロピテ診療所と、孤児院のHOPEに届けました。
    「おみごとぽん!」でしめくくる中村先生。
    またお会いしたいですね!!

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