活動記録~その7

今日は南阿蘇の報告です。

 今、私たち「地球のステージ」は精神科医による診察というケア、そして午後からは子どもたちとのワークショップという2つのこころのケアで構成されています。

 今日から慶応大学の新進気鋭の精神科医、鈴木先生が入って下さいました。電話で話しましたが、とてもモチベーションの高い好感度の先生です。

 以下、看護師のつかささんの報告です。

 まずは、昨日から問題となって持ち上がっていた長陽地区の特別養護老人ホームにそこで働くスタッフの人たちの精神状態を把握すべく、様子を見に行ってきました。代表者の方とお話をさせてもらいました。
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 スタッフ全員が震災から10日以上経過した今でも水のない状態で、一心不乱に忙しく働いている状態です。もちろん、スタッフの皆さんも被災者です。家の事もどうにかしなくてはいけない状況なのに、利用者さんをほっておいて休むわけにわいかないという使命感や責任感を感じているようで、話をきいているかぎり、スタッフの皆さんはこころの置所がないように思われました。

共倒れしないかが心配です。

 役所を通じて一度スタッフの皆さんとピアカウンセリングをするような時間を設けられたら良いのではないかと思いました。

 また、他の特別養護老人ホームでも徘徊がひどいので一度みてもらいたいという要請がありました。実際にいってみると、利用者の方は落ち着いており問題なく過ごされていたのですが、そこで働いている看護師さんが話し合いが終わった後に少し涙を浮かばせるように、ここに来た経緯やこの施設で起こっている事、自身の心配事、苦しい胸の内を私に話しはじめました。

 震災前からここの施設の運営・管理がずさんだったようで、一人で医療行為が必要な患者さんのマネジメントなどをしてきたようです。一時的に手伝うつもりでここにきたのに、その間に地震に見舞われてしまい、代わりのスタッフが帰ってこず、自分はやめられなくなってしまった。

 こんなずさんな環境状況で利用者さんに何かあったら私の責任になるのは…自分の家もぐちゃぐちゃなのに…と。

 それに対して、今まで良く頑張ってきた事、すべては自分の責任ではないことをはっきりとお話しさせていただいたら、心が少しすっきりしましたと。

 今後も少し様子を見に行けたらいいなと思っています。

 また、今後もこのような方が増えてくるのではないのかなと感じています。

午後からは子どもたちの活動でした。以下、桑ちゃんからの報告です。

 10名ほどの子どもたち。初めて参加の子もいました。今日はコラージュの作成。雑誌をちぎって貼り、画用紙に自由に表現するものです。
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 結構みんな、集中して作成していました。英語を勉強したい!と言っていた千陽菜さん。ちょうどネイティブの外国人がいたので、英語で会話したりしながら進みました。みんな結構集中して作っていました。何かに集中できる時間、というのも大事なのかな?と感じました。出てきた作品はほんとに個性的で、最後にみんなの前で、その作品に題をつけてもらって発表しました。「わたしの好きなもの」「タイヤの川」「止まっている車」「笑い」「のりもの」などなど。
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 今日は避難所自体、人が少なめで子どもも少なかったです。片付けに出ている人が、そろそろ違う場所に移りはじめる人たちも多いのかもしれません。また、桑山さんが入っていたときに毎回行っていた「子ども会議」(避難所にいて困ったこと、などの話)を毎回入れてもいいのかな?と思いました。また、その他、こういうのはどうか?という案があれば考えて行きたいと思います。

桑山紀彦

活動記録~その7」への1件のフィードバック

  1. 読めば読むほど、「心のケア」の重要さ、察知する鋭さ、が求められるのが現場だと解っててきました。
    気の抜けない活動~本当にご苦労様です。

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