11月の閖上

今日は夕方、閖上に入りました。

 毎日かさ上げ工事でダンプが行き交いますが、土日はおやすみです。

 丹野さんも閖上中学校に来て下さいましたが、その横にはなんとりんりん(林由美)が。りんりんは3年間「心理社会的ケア」の中心スタッフとして「地球のステージ」で働きました。
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 協力隊、マダガスカル隊のOVですが、今は臨床心理士を目指して大学院で勉強中です。けんけんも、りんりんも、ちゃんとこうして戻ってきてくれます。最も嬉しい瞬間です。

 さて、手前の巨大なかさ上げの向こうに白い建物が見えるでしょうか。
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 閖上消防署です。その中には櫻井歩さんたちが亡くなった下増田分団の消防車がひっそりと安置されています。この勢いでは、歩さんたちの消防車はこのかさ上げ工事の勢いの中で、廃棄されてしまうのではないかと危惧がつのります。

 娘さんのゆまさんにちゃんと知らされているのか、それも疑問です。

 どうか、いつの間にか無くなっていたなんてことにならないように祈るばかりです。ゆまさんははっきりと手紙で「残してほしい」と書いて市役所に提出しているのですから。

 そして江里ちゃんのマンホール。

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 江里ちゃんが小さい頃によくこのマンホールをステージにして歌っていたというマンホールが、ギリギリ残されています。これを切り取って「閖上の記憶」の敷地内に安置する方向で検討中です。

 無くなった後に、「残しておけば良かった」と嘆くのでは遅すぎます。いま、このギリギリの時間のなかで、残す残さないのせめぎ合いが始まっています。

桑山紀彦

11月の閖上」への2件のフィードバック

  1. 桑山さま、閖上の写真をアップしていただきありがとうございます。
    本来の役目として稼働することができなくなった下増田分団の消防車の所有権を、
    変更することは大変難しいことなのでしょうか?
    マンホール一つにしても、その様な葛藤があるのですね。
    皆さまの気持ちが一つになり、お互いに納得して移動できるようになることを想うだけです。

  2. 震災直後のブログで真っ先に奔走された消防車が記憶から消される危機ですか?
    市とか県単位で見るとモニュメントの価値等眼中になく邪魔物扱いとは心置き去り行政でしょう。
    何か割り切れ気分です。

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