雨の続く名取にて

今日も名取は一日中雨でした。

 患者さんの中にはこの天候で来られない人もいて、比較的時間の空いた今日、アーベッドは相変わらず精力的に撮影を学びました。

 第二作目をつくるのだということで、うちの国際担当絵梨さんと、「閖上の記憶」担当の武田さんを起用して撮影に臨みました。雨が上がった一瞬を捉えて撮影をしていました。アーベッドの理解力はわれわれの想像をはるかに超えて、すごいものがありどんどん吸収していきます。
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 この秋の映画ワークショップが楽しみになってきました。

 さて、今日の夕食はパキスタン人のターヘルさんが義理のお父さん、息子さんを伴い、なんと得意のカレーを作ってきて下さいました。ターヘルさんはもう日本に暮らして20年になります。ずっと名古屋でお兄さんと絨毯を輸入してきたのですが、あの津波があった時から人生が変わっていきました。
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 一生懸命被災地をめぐり、仮設住居でカレーを振る舞うというその活動はあっという間に拡がり、この被災地で最も有名なパキスタン人となりました。そんなターヘルさんは先日の映画の完成発表会に来て下さり、以来交流が始まっているのです。

 ターヘルさんの作るカレーの美味しいこと。そしてパレスチナ人のアーベッドとの交流が始まりました。なんか嬉しくなります。こうして日本を舞台に同じイスラム教徒が言葉を交わし、世界の平和について考えるきっかけを得ている。その出逢いの場所が提供できただけで、もう「地球のステージ」だと思いました。
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 ターヘルさんは今日の食事会の終わりにアザーンを歌って下さいました。

 その美しい声色に、その意味はわからずとも世界が愛で満ちていきますように、というメッセージを感じることが出来ました。「閖上の記憶」の小齋館長も来て下さり最高に嬉しかったです。

 明日は2ステージです。

 雨の中だけど、頑張っていきたいと思っています。

桑山紀彦

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