土曜日の首都圏2公演

今日は朝9時から立川市の第7中学校のステージでした。
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 担当の谷口先生とはもう10年来のつながりで、赴任される中学校全てで公演させてもらってきました。今回は2回目ということでステージ2の公演でした。

 この7中は本当に素晴らしい中学生で、朝の挨拶運動、年末のユニセフ募金など、生徒さんたちが自主的に活動を展開している独自性の高い学校です。今年も非常にまっすぐ、優しく聴いてくれる生徒さんたち。何より500人近い中学生が実に5分で体育館に入ってしまうその「力」にも感動しました。

 生徒会の皆さんからの「取材」も秀逸で、核心に触れる質問が相次ぎました。
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 中学時代に「自分で考える」という学びができていることはとても貴重なことだと思います。ともすれば流されがちで忙しいこの中学時代に、自発性を身につけるべく日々を送っている中学生に出逢うと、日本の未来だって十分明るいと思うに十分でした。

 今日はそのあと15字から3年目になる玉川大学のステージでした。
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 1日、八王子の弾丸(だんまる)赤木さんがクルマを出してくれて、早朝から夜までずっと乗せてくれました。ありがいたいですね。まるでツアー状態のこの頃は、クルマで動くその便利さから移動は主にレンタカーか、赤木さんのクルマです。

 道中はあれこれといろんな話に花が咲きますが、決して人のことを悪くいわない、赤木さんの心にはいつも感動します。

 さて、玉川大学。もともと直系のいとこである中田幸司先生が誘ってくれたものですが、今日はいつにも増してみんなきちんと聴いてくれました。そして最後の質疑応答。びっくりしたのは、こんな質問でした。

「桑山さんは、こうやって人に伝えるという活動をしているけれど、それは時にあるサイドの人にとっては、とても嫌な、苦しい展開になっているかも知れない。例えばパレスチナのことを語った時、イスラエルの人たちがもしもそれを聞いたらどう思うのか、そういったことを考えながら、このステージをやっているのでしょうか。」

 鋭く、そして大切な質問ですね。

 彼自身も演劇をやってきて、その「表現形式」が人を傷つけたり、嫌な思いをさせたことがあったようで、この問いはとても根源的なものだと思いました。

 そして答えました。

「地球のステージは、対立する二つの勢力があった時でも、決してどちらかが良くて、どちらかが悪いという押しつけのような情報提供は行わない。その意味で”ぼかして”伝えているのかも知れない。しかし大切なことは、独りよがりかも知れないけれど、自分なりの思いを伝えたあと、最終的な判断を見ている人に”預ける”ような構成にしていることが特徴です。

 つまり考える「のりしろ」を常に提供して、”どんなふうに思うかは、皆さん自身が決めて下さい”という”幅”を持たせてお伝えするように心がけてきました。だから、最終的な判断は皆さん自身が心の中でしていってほしいと思っています。」

 すると彼はいいました。

「その意図はよくわかりました。であるならば、最終的な見解や判断、好き嫌いはこちら側に預けてもらえるということで、身が引き締まる思いでいます。貴重な機会をありがとうございました。」

 大変大学生らしい質問とやりとりになったと思います。
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 「こんなふうに伝えたい」という思いが強すぎるとそれは独りよがりになったり、押しつけになったりします。それを極力避けながら、でも大切な情報と想いはお伝えしていきたい。それがこれからも「地球のステージ」らしいやりかたなのだと、再認識した思いでした。

 大学での公演もまたエキサイティングです。

桑山紀彦

土曜日の首都圏2公演」への1件のフィードバック

  1. 例えば、難民は被害者と見てしまいますが、そういう場面の多いステージで、いろいろな要因で何故こうなるかの問題提起はしても、善悪としての表現をしていませんね。
    客観視は大変難しいことと思いますが大切なことだと思います。
    それが見た人の感性を刺激し、訴える強いメッセージになって心を揺さぶるのだと気が付きました。
    なかなか鋭い質問がこの公演が大成功裏に終わったことを示しています。

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