ガザの日常

 「アハラン ワ サハラン」と言われたら、「アハラン ビーク」と返すんだよ。でもこれは相手が男の人の場合。女の人だったら「アハラン ビーキ」、相手が複数だったら「アハラン ビーコ」

 初日からガザ事務所のスタッフの大歓迎を受け、まず教えられたアラビア語がこれです。

 「あなたを歓迎します」「ありがとう」。

 (スタッフミーティング)

 ガザ地区北端エレズの検問所から、南端の町ラファまでの1時間半の道のりを初めて通る中で、活気あるガザの雰囲気に正直驚きました。2014年7月8日から始まった50日戦争は、約1ヶ月半前に収束したばかりでした。破壊された建物は手付かずで残っていますし、50日戦争中のそれぞれの体験には心が痛みます。2100人以上の方が亡くなり、何千人もの方が傷つきました。一方で、すでに普通の生活がちゃんと息づいていました。コーランの音、車のクラクション、馬車が通る音、学校からの子どもたちの声…。平和な温かい音が、町中から聞こえてきます。

 町の商店や市場にも商品が戻ってきて、50日戦争により高騰していた値段は、少しずつ戻ってきているそうです。

 (市場のにぎわい)

 「優子と絵梨と一緒にいることが、どんなにうれしいことか分かるか?」

 「自分はこれまでたくさんの苦しみを味わってきた。だから、同じ思いを人には絶対させたくないんだよ。ふたりはもう家族だから。自分の家だと思ってくつろいで」

 「日本も長崎・広島で辛い経験をしてきた。だから、日本人はきっとパレスチナのことを分かってくれると思うんだ」

 「私たちはいつでも大歓迎です」

 ガザの人達の深い深い優しさが、心にしみてきます。

樫尾絵梨(海外事業担当)

ガザの日常」への1件のフィードバック

  1. 瓦礫ばかりのイメージとはだいぶ違いますね。
    人間の底知れないバイタリティを感じます。
    それにしても70年近くも前の記憶の彼方に薄れつつある歴史が、ここでは現在の生活に息づいている。
    ハッとして何か反省させられます。

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