ガザ現場報告~宗貞NO.4「子どもたちとの遠足~Open Day~」

 占領が続くガザ地区に暮らす子どもたちの心のケア(Psychosocial Care Program)では年2回の遠足を予定しています。2014年4月25日(金)は、その第1回目の開催日でした。

 HAPPY CITY

 バスで10分程の場所にある遊戯施設「HAPPY CITY(ハッピーシティ)」。

 この活動は日頃、2校から参加している小中学生や聴覚障害の子どもたちの垣根を取り払う目的と、校舎の一室を借りて心理社会的ワークショップを実施している“閉じられた”活動とは違い、屋外へと飛び出して開放された場所で身も心も解放し発散するための活動です。英語タイトルの文字通り“開かれた”活動なのです。

 早速、広い敷地内に駆け出して遊ぶ!子どもたちにとって何より遊びが楽しい~!日本では昭和時代の公園にあった遊具や古いタイプの電動遊具も、こちらでは現役遊具なのです。

お菓子を食べながらお話する子、芝生でサッカーをする子。もちろんプロジェクトマネージャーの前田や現地スタッフたちも、学年や学校を隔てることなくみんなで交流が図れるゲームやプログラムを展開。相変わらず子どもたちと一緒に汗かいています!

 非日常的な場所で解放!思いきり弾けた笑顔!

 実は、子どもたちが一番楽しみにしていたのがプールでした!

日本では小学校にはプール施設や水泳授業も当然のようにありますが、ガザの小中学校にはプールは無く、水泳授業などありません。

また、4月と言えど日本の初夏のような気温で日中午後には25℃真夏日近くまで上昇するガザ地区。屋外活動で汗かきながら体温上昇した身体をプールへ。貯水途中の水位でも~ウェアを忘れても~砂だらけの足でも~おかまい無しだぜ!放水を浴びる、スライディングする、水を掛け合う、ボールで遊ぶ、スタッフを巻き込む、楽しさいっぱい、嬉しさ全開!

 夢中で過した楽しい時間は彼らの貴重な体験となり、今夜は夕食もガッツリと食べるでしょう。ご家族へも話すでしょう。ぐっすり眠ってしまうでしょう。楽しかった想い出として心に残るでしょう。

少しでも健やかな心身の成長の糧となればと願う・・・子どもたちと一緒に汗をかいて受け止めるスタッフたちの日焼けした姿と疲労した顔は、愛情と達成感そのものでした。

次はいよいよ2014サマーキャンプ4日間!期待して待ってろよ、子どもたち。

「当たり前の体験を当たり前に出来ることの尊さ」

ガザ地区・ラファ事務所 宗貞 研

 遠足の前日24日(木)。

 パレスチナでは、ハマス(ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織)とファタハ(パレスチナ自治政府の主流派組織)の会議が開かれ、今後5週間以内にパレスチナ統一政府を樹立することで合意しました。イスラエルはこれを望まず、直後からガザ地区へ空爆を実施。更にパレスチナ中東和平交渉を中断。今後、ガザ地区へのさらなる圧力が予測されるそうです。この1ヶ月、停電はほぼ毎日。慢性的なガソリン不足。今後もしばらく輸入が閉ざされ流通も滞る恐れがあるそうです。

 そんな理不尽さを知るたびに毎回、やるせない気持ちになります。

プロジェクトマネージャー 前田那美子

ガザ現場報告~宗貞NO.4「子どもたちとの遠足~Open Day~」」への2件のフィードバック

  1. なんとかならんのか!
    どうにもならんのだろーな…。
    でも、なんとかならんのか!!
    なんとかなるまで、なにかしとかなきゃ。

  2. 永遠に続くかのようなパレスチナの紛争。
    対立の基は心の安寧を求めるはずの宗教なのでしょうか?それとも相容れがたい人種の違いなのでしょうか?
    いらだちだけが澱のごとくたまります。
    些細なひと時でも笑顔で過ごせる子供たちの素直さがせめてもの救いです。
    ワークショップの効果を期待しています。

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