今日は国際協力の一日

今日は、マヌサエ村での活動でした。
「鳥が高く飛ぶ」と言う名のその村は、私たちがカバーしている7つの村の一つです。
 土質がぬかるみやすいために非常に滑りやすく、昨年11月にはアイダたちが乗ったサビーヌのクルマが崖を外れ、5Mほど下に落ちて木に支えられてそれ以上の落下は避けられたのですが、今でもアイダはその道に差し掛かると震えてしまいます。村人が集まって、なんとクルマを人力で引っ張り上げたのですが、今日も雨の中、非常にぬかるんでいました。
 さて、今日は診察です。
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 やはり直接診察していくことは、地元の病気の状況を知るのにも大切ですし、何よりも全く経験不足で各地で問題になっているキューバ帰りの医師たちに、無言で診察の何たるかを伝えるべきであるという周りの意見も検討すると、今まで通り診察するべきだと思いました。
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 200人の患者さんをキューバ帰りの未経験な東ティモール人の医師と桑山の3人で診察しましたが、やはり聴診器も当てず、触診もせず、ひどいものです。桑山は56名を診ましたが、彼らは30分以上も短い時間で終わっていました。全身から、
「こんな仕事やりたくないんだよ。」
「村なんていたくない、ディリに帰りたい。」
 そんな気持ちがそのふてくされた態度からにじみ出てきており、みんなが嫌な思いをしています。
 う~、問題だ。
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 途中でまぶたの下に膿がたまって目が開けない少年がやってきましたが、小外科で切開することにしました。明ちゃんに勧められて、若い男性医師に、
「今から切開するけど、見てみようよ。」
 と誘ったけれど、暇そうな彼は、
「は~い」
 と言ったきり、こっちに来る気はありません。こんな間違ったことが平気ですすめられている東ティモールの医師養成プログラム。被害者は常に患者さんです。ダン先生は友人のシャナナ大統領にこの件を進言していますが、保健大臣は知らぬ顔。平気で間違ったことが行われています。
 だからこそこれからも診察を続け、「患者さんを診る」ということを伝えていかなければなりません。
 やはり直接患者さんに触れると、この国が見えてきます。
 大切なこと、必要なこと、できること…。
 現地駐在の陽さんと一緒に考えていきたいですね。
 陽さんは助産師らしく、逆子のお母さんにどうするといのか、ちゃんと伝えていました。立派な専門家です。
 アイダが見守り、現地の住民助産師、マルティーニャが指導を受けています。医師以外の人材はきちんと育ってきており、頼もしい状況ですね。
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(向かって左から陽さん、アイダ、マルティーニャ)
 さて、これからもがんばろう!
桑山紀彦

今日は国際協力の一日」への1件のフィードバック

  1. 桑田啓祐さんも言ってます。
    無駄な人生はあり得ないって。桑山さんの姿勢が、いつか彼らに伝わる時が必ず来るのを信じます。

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